人は、人間は、幸せを求める存在である。
中国で生まれ育てでありながら、中国に反旗を揚げる青年楊賜璁が望んだことも、小さな幸せに過ぎなかった。特別なことではない。
少なくとも行動の根源には、人として、極当たり前の、とても細やかな願いしかなかった。
そんな夢を、そんな誓いを、誰が否定できるのか?誰にそんな資格があるというのか?
だがしかし、人は、誰しもはいやをなく他者と、世界と関わることによって自らを規定され、定められてしまう。
ならば、個人の思惑など、世界の意志を前にしては、どうしようもなく流されてしまう儚い存在でしかない。
罪と罰。運命と裁き。楊賜璁の前に立ちはだかったのは、自らが生み出した過去であり、人が人であるが故の憎しみか?
それでも、今は感謝すべきであろう。そう、少なくとも、人が幸せを求める存在であることに。
一縷の望みは、仄かなる願いは、絶望からこそ生まれいずる。
By 楊賜璁
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